LABORATORY 研究室紹介
研究室の歴史と沿革
本研究室は発足以来、約50年の歴史があり、平成29年3月現在で313名の学士、191名の修士、59名の課程博士、19名の論文博士を輩出した。
研究室の歴史
昭和41年5月
立川 涼先生が愛媛大学に赴任され、環境化学の教育・研究分野が愛媛大学に萌芽した。
米国オハイオ州立大学での留学を終え帰国されて間もない立川先生は、愛媛大学農学部農芸化学科の助教授として着任され、農芸分析学研究室で農薬汚染の研究を開始した。
レイチェルカーソンの名著「沈黙の春」が世界的関心を集める中、立川先生は DDT や BHC など有機塩素系殺虫剤による環境汚染の研究を精力的に展開し、この分野の研究を創生するとともにその基盤を構築した
昭和51年4月
愛媛大学農学部に環境保全学科が新設され、立川先生の教授昇格とともに環境化学研究室が発足した。
昭和52年9月
その翌年に採用された田辺信介助手(当時)と協力して有機塩素化合物の環境汚染を地域的・地球的視点で究明し、その汚染が極域にまで拡大していることを実証するなど世界的な注目を集める研究成果を多数報告した。
昭和50年代中頃
この頃から生物の汚染、とくに海洋生態系の汚染実態解明の研究が本格化し、この分野で世界をリードする研究業績をあげた。
昭和63年12月
農学部生物資源学科環境化学研究室の助教授ポストに田辺が昇格。
平成8年4月
立川先生の高知大学学長としての転任にともない、同年10月より田辺が教授に昇格し、環境化学研究室を引き継ぐことになった。
平成10年6月
農学部生物資源学科環境化学研究室の助手ポストに國頭 恭が着任し、微量元素の環境化学研究に従事。
平成11年4月
愛媛大学沿岸環境科学研究センターが設立され、田辺は生態環境計測分野の教授に配置換えとなり、現研究分野(生態環境計測分野)がスタートすることになった。また、同年、本分野の新しい助教授ポストに岩田久人が着任し、生態毒性解析分野の研究を開始した。
平成14年9月
文部科学省の21世紀COEプログラムに採択され、平成19年3月末までの5年間「沿岸環境科学研究拠点」に関わる先導的な教育研究活動を展開し、田辺が拠点リーダーを務めた。
平成15年7月
沿岸環境科学研究センター生態環境計測分野の助手ポストに梶原夏子が着任し、臭素系難燃剤の研究を開始。
平成16年11月
愛媛大学沿岸環境科学研究センターに生態毒性解析分野が新設された。同時に生態環境計測分野の岩田助教授が教授に昇格し、新分野を立ち上げることになった。
平成17年4月
沿岸環境科学研究センター生態環境計測分野の助教授ポストに高橋 真が着任し、資源循環・廃棄物処理に関わる有害物質の環境問題について研究を開始。
平成17年11月
生物環境試料バンク(es-BANK)の施設が竣工し、野生生物や環境試料の収集保管と学内外への提供を本格的に開始。世界的な教育研究拠点として沿岸環境科学研究センターが発展することに貢献。田辺がバンク長に就任。
平成19年4月
Annamalai Subramanian客員教授が沿岸環境科学研究センター生態環境計測分野の特命教授に就任し、国際交流や留学生教育の高度化プログラムを推進。
平成19年6月
文部科学省のグローバルCOEプログラムに採択され、平成24年3月末までの5年間「化学物質の環境科学教育研究拠点」に関わる先端研究と高度化教育を推進し、21世紀COEプログラムに引き続き田辺が拠点リーダーを務めた。
平成20年4月
沿岸環境科学研究センター生態環境計測分野の助教ポストに野見山桂が着任し、有害代謝物および医薬品・生活関連物質等による環境汚染と生体暴露リスクの研究を開始。
平成21年4月
「沿岸環境科学研究センターあり方検討委員会」の評価・提言を踏まえ沿岸環境科学研究センターの組織を再編。生態環境計測分野と生態毒性解析分野を統合し、化学汚染・毒性解析部門を新規に設置。
化学汚染・毒性解析部門の助教ポストに板井啓明を採用し、微量元素の環境動態、生物蓄積、リスク評価等に関わる研究を推進。
平成23年4月
田辺が紫綬褒章受章。
平成24年1月
愛媛大学長から田辺教授に特別栄誉教授の称号が授与される。
平成25年4月
化学汚染・毒性解析部門の准教授ポストに磯部友彦が着任し、新規POPs候補物質の分析法開発および有機臭素系難燃剤とその代替物質による広域汚染の実態解明等に関する研究に従事。
田辺(教授)、磯部(准教授)、野見山桂(講師)が理学部化学科および大学院理工学研究科環境機能科学専攻分子科学講座の、板井(講師)が理学部地球科学科および大学院理工学研究科数理物質科学専攻地球進化学講座の兼任となる。
平成26年4月
国末達也が化学汚染・毒性解析部門の教授に採用。
平成27年4月
田辺信介特別栄誉教授が沿岸環境科学研究センター長に就任。
野見山桂講師が化学汚染・毒性解析部門の准教授に昇格。
平成31年4月
田上瑠美研究員が化学汚染・毒性解析部門の助教に採用。
研究室の沿革および年表
- 昭和32年4月
- 愛媛大学農学部農芸化学科農芸分析学講座(小川恒彦教授)
- 昭和51年4月
- 愛媛大学農学部環境保全学科環境化学講座(立川 涼教授)
- 昭和63年4月
- 愛媛大学農学部生物資源学科生物環境保全学講座環境化学研究室(立川 涼教授)
- 平成6年4月
- 愛媛大学農学部生物資源学科生物環境保全学専門教育コース環境化学研究室(立川 涼教授)
- 平成8年10月
- 愛媛大学農学部生物資源学科生物環境保全学専門教育コース環境化学研究室(田辺信介教授)
- 平成11年4月
- 愛媛大学沿岸環境科学研究センター生態環境計測分野(田辺信介教授)
- 平成11年4月
- 愛媛大学農学部生物資源学科生物環境保全学専門教育コース環境化学研究室(田辺信介教授兼任)
- 平成16年4月
- 愛媛大学理学部生物地球圏科学科(田辺信介教授兼担)
- 平成16年11月
- 愛媛大学沿岸環境科学研究センター生態毒性解析分野(岩田久人教授)
- 平成16年11月
- 愛媛大学農学部生物資源学科生物環境保全学専門教育コース環境化学研究室(岩田久人教授兼任)
- 平成21年4月
- 愛媛大学沿岸環境科学研究センター化学汚染・毒性解析部門(田辺信介教授・岩田久人教授)現在に至る
- 平成25年4月
- 理学部化学科環境化学研究室および大学院理工学研究科環境機能科学専攻分子科学講座(田辺信介教授兼任)平成27年3月まで
- 平成26年4月
- 理学部化学科環境化学研究室および大学院理工学研究科環境機能科学専攻分子科学講座(国末達也教授兼任)現在に至る