愛媛大学理学部 沿岸環境科学研究センター

PROFESSOR MESSAGE 教授からのメッセージ

教授は語る 国末達也>>

環境および生物への影響を地球的視点で究明する

それが教育研究活動の中心

環境残留性・生物蓄積性の化学物質について、高精度分析法の開発、生態系汚染の実態解明、広域分布の特徴と環境動態解析、汚染の過去復元と将来予測、生物濃縮機構と体内動態解析、リスク評価などの研究をグローバルな視点で展開しています。また、生物環境試料バンク(es-BANK)の冷凍保存試料を有効に活用して、環境化学の先端研究や異分野融合研究も推進しています。その調査・研究は、先進国から途上国まで、陸域・沿岸域から外洋・極域・深海まで、プランクトンから陸棲・海棲哺乳動物までの全球・全生態系を対象としています。
また、化学物質のリスクから海洋生態系を守るための科学的方途を提言し、行政や社会の期待に応えることもこの分野の重要な役割です。

世界初の評価を受ける快感を

多くの学生に味わって欲しい

世界の注目を集めた最近の研究として、環境ホルモンとして知られている残留性有機汚染物質(Persistent Organic Pollutants: POPs)と類似の化学構造を有する起源未知物質が海洋環境に存在すること、またこの種の物質が高い生物蓄積性を有することを明らかにした成果があります。
類似の研究は、海洋環境だけでなく陸域・淡水域に棲息する多様な野生生物種でも展開しており、これらの成果を通して地球環境時代にふさわしい生態系本位の環境観を社会に定着させたいと考えています。
研究室では、勉学研究を通して新しい科学的事実を発掘し、世界初の評価を受ける快感を多くの学生に味わって欲しいと思っています。
また、知の連帯によって集団化した研究室で個々人が可能性や潜在能力をみいだし、21世紀の環境展望が語れる人材、地域社会や国際社会に貢献できる人材、組織のチームリーダーになれる人材を多数輩出できればと考えています。