愛媛大学理学部 沿岸環境科学研究センター

RESEARCH 研究内容

アジア途上国における化学汚染実態の解明

アジア−太平洋地域には、中国、香港、韓国、台湾、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナムなど急速な経済成長と人口増加をみせる国々が存在し、世界で最も人間活動・産業活動が活発な途上地域です。一方で、こうした新興国・途上国では、PCBs含有廃棄物の管理、ダイオキシン類等非意図的生成物の発生源対策、病害虫駆除のためのDDT等有機塩素農薬の使用、石炭燃焼による水銀の放出などについて、経済的事...

生物環境試料バンク(es-BANK)を活用した環境・生態系汚染の歴史トレンドの解明と将来予測

先の震災のような災害が発生した際や、新たな化学物質による汚染が社会問題化した場合には、「その汚染はいつ始まったのか?」「どこまで広がっているのか?」「今後どうなるのか?」といった疑問が生じます。これらの疑問に答えるには、汚染実態の時空間的な解析が必要であり、現在の汚染レベルを発生源周辺で計測するだけでは不十分です。過去に立ち返って汚染の歴史と広がりを解析し、かつ各種化学物質の生産・使用実績等を踏ま...

化学分析とバイオアッセイの統合手法による環境残留性・生物蓄積性未知化学物質の探索と生態リスクの評価

日常生活の多様化にともない産業界で生産される化学物質種は増大していますが、法的な監視・管理体制が整備されている化学物質は利用されている物質の一部にすぎません。また、それらの代謝・分解産物や不純物等も法的規制の対象外であるため、潜在的な有害物質の種類や排出量は年々増加し、それらに起因する環境汚染や生態影響が表面化する怖れもあります。そこで、CMESが所有する先端分析機器を用いた測定技術とバイオアッセ...

イオン性環境汚染物質による脳移行の実態とリスク評価法の開発

イオン性の環境汚染物質は、これまで生物への残留・蓄積性は低いと考えられてきました。しかし、分析技術の発展により多様な生物から検出され、環境曝露レベルで神経毒性や行動異常を誘発することから、脳への移行性・リスク評価に学術的・社会的関心が集まっています。 イオン性の環境汚染物質曝露による影響評価を目的として、本研究室では脳や血清等の標的試料を対象に、質量分析法を用いた内因性ホルモンや神経伝達物質...

水圏環境に残留する生活関連化学物質の生物濃縮性および生態影響に関する研究

私たちの身の回りにある製品には数多くの化学物質が利用されており、私たちは快適さ、利便性など様々な恩恵を受けています。一方で、生物活性を持つものもあり、その取扱いや管理の方法によっては、生態影響やヒト健康影響などの問題が生じる場合があります。医薬品類、パーソナルケア製品、日用品、合成樹脂等に含まれる生物活性化学物質は、近年、学術的・社会的注目を集めている新興環境汚染物質です。製品の使用に伴い排出され...