ペットフードのPFAS汚染に関する論文を発表しました。
【概要】
愛媛大学 先端研究院 沿岸環境科学研究センター(CMES)の野見山桂准教授らの研究グループは、日本国内で流通する犬用・猫用ペットフード100製品を対象に、34種類のPFAS(有機フッ素化合物)を網羅的に分析しました。その結果、多くの製品からPFASが検出され、とくに魚を主原料とする製品で高濃度となる傾向が明らかになりました。
欧州食品安全機関(EFSA)の耐容摂取量を用いたハザード指数(HQ)評価では、複数の製品でHQが1を超え、健康影響の可能性が示唆されました。HQはあくまでヒトを対象としているため、今後はイヌ・ネコへの影響について明らかにしていく必要があります。
本研究は、ペットフード中PFASの汚染実態を体系的に示した国内初の大規模研究であり、伴侶動物の健康リスクおよび家庭内共曝露の観点から重要な知見を提供します。

【詳細】
1.PFASは多くの製品から検出: ドライフードでは濃度が高い傾向が見られ、ウェットフードでは摂取量換算で曝露量が高くなることが示されました。
2.魚由来原料が主要な汚染要因: 主原料別解析の結果、魚を主原料とする製品でΣPFAS濃度が有意に高値を示しました。
特にPFOS、PFUnDA、PFTrDAなどの長鎖PFCA類が卓越しており、海洋食物網での生物濃縮を反映していると考えられます。
3. 原産国による特徴: アジア製品群と米国製品群でPFAS組成に差異が確認されました。また、中国由来のPFOS代替物質F-53B関連化合物(9Cl-PF3ONS)も一部製品から検出され、サプライチェーン汚染の可能性が示唆されました。
4. 健康リスク評価(HQ): ヒトを対象にしたEFSAのTWI値(PFOS, PFOA, PFNA, PFHxS)を用いて推定したハザード指数では、平均値でHQ>1となる製品群が存在しました。今後はイヌ・ネコを対象にした影響評価指標が求められます。
【論文情報】
掲載誌:Environmental Pollution
題名:Widespread PFAS contamination in pet food: Dietary sources and health risks to companion animals(和訳:市販ペットフードにおけるPFAS広域汚染:食餌由来曝露源と伴侶動物の健康リスク)著者:Kei Nomiyama*, Aika Sato, Rumi Tanoue, Kohei Saeki, Yoshinori Ikenaka, Hazuki Mizukawa
DOI:10.1016/j.envpol.2026.127779
URL:https://doi.org/10.1016/j.envpol.2026.127779
