愛媛大学理学部 沿岸環境科学研究センター

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須之内朋哉さん (大学院理工学研究科博士後期課程3年生)が「環境科学会2023年会」において「優秀発表賞(富士電機賞)」を受賞しました。

令和5年9月7日 (木) 〜 8日 (金) に神戸大学で開催された「環境科学会2023年会」において、沿岸環境科学研究センター(CMES)化学汚染・毒性解析部門の須之内朋哉さん (大学院理工学研究科博士後期課程3年生)が「優秀発表賞(富士電機賞)」を受賞しました。

 

須之内さんの発表演題は、「海洋環境を想定したマイクロプラスチックに対するPCBs吸着試験法の構築」と「野生鳥類2種におけるリン酸エステル系難燃剤汚染」の2題で、沿岸環境科学研究センターの国末達也教授の指導のもと取り組んだ研究成果の発表でした。

 

須之内さんの研究は、前者が人工海水を用いたマイクロポリエチレン(MPE)に対するポリ塩化ビフェニル(PCBs)の吸着試験法の検討をおこない、物性が異なる異性体2 種の吸着特性について解析したもので、後者は鳥類の筋肉組織に適用可能な高精度リン酸エステル系難燃剤(PFRs)分析法を確立し、日本に棲息する野生鳥類2種におけるPFRs汚染の実態を初めて解明したものです。それぞれ、MPEに対するPCBsの吸着特性が各PCB異性体の有機炭素/水分配係数の差に起因することを示した点、そしてトビに対するtris(1-chloro-2-propyl) phosphateの特異な曝露を提示した点が評価され受賞に至りました。

「Bio Diversity Lab Guide in EHIME ~愛媛で生物多様性が学べる大学・研究室紹介ガイド~」に掲載されています。

愛媛県が発行する、「Bio Diversity Lab Guide in EHIME ~愛媛で生物多様性が学べる大学・研究室紹介ガイド~」に、野見山准教授が「化学物質のリスクから地球の生態系を守る」として、環境化学研究室を紹介しています。
愛媛県では、生物多様性に関わる人材育成を図るために、本県で生物多様性関係の研究に携わる国立・私立大学の研究室を取り上げ、高校生の専攻選択の動機付けや大学と連携した調査研究、進路決定等のキャリア形成に資する研究室紹介ガイドを作成しました。本ガイドブックは愛媛県の高校生や近隣の高校生に各イベントで配布されています。
pdf版でもパンフレットを見ることができますので、下記のリンクからpdf版をダウンロードできます。

甲斐奏くんが「第2回環境化学物質3学会合同大会」でRSC賞(英国王立化学会賞)を受賞しました。

M1の甲斐奏くん(大学院理工学研究科博士前期課程1年生)が「RSC賞(英国王立化学会賞)(博士前期課程の部)」を受賞しました。同賞は、令和5年年5月30日(月)~6月2日(金)に開催された「第2回環境化学物質3学会合同大会」での口頭発表が評価されたものです。甲斐さんの発表演題は、「魚類肝S9画分を用いた医薬品類の肝代謝速度定数の解析および生物濃縮性予測モデルの有用性評価」で、沿岸環境科学研究センターの田上瑠美准教授、野見山桂准教授、国末達也教授の指導の下で取り組んだ研究成果の発表です。

甲斐さんの研究では、魚類ティラピアの肝臓から調製したS9画分を用いて、医薬品類、トリクロサン、トリクロカルバンのin vitro肝代謝速度定数の解析、およびモデルによる生物濃縮係数の評価を試みました。その結果、12種の化合物において有意なin vitro肝代謝が認められ、算出されたin vitro肝代謝速度定数を生物濃縮係数予測モデルのパラメータとして用いることにより予測精度が向上しました。魚類における医薬品類の代謝能に関する新たな知見を提供した点、および生物濃縮係数予測におけるin vitro肝代謝速度定数の有用性を提示した点が評価され受賞に至りました。

本受賞は、愛媛大学のHPでも掲載されています。

沿岸環境科学研究センター(CMES)化学汚染・毒性解析部門の甲斐奏さんが「RSC賞(英国王立化学会賞)」を受賞しました【6月2日(金)】

 

水原奈々さんが「第2回環境化学物質3学会合同大会」でナイスプレゼン賞(最優秀賞)を受賞しました。

水原奈々さん(大学院理工学研究科博士前期課程2年生)が「ナイスプレゼン賞(最優秀賞)」を受賞しました。同賞は、令和5年5月30日(火)~6月2日(金)に開催された「第2回環境化学物質3学会合同大会」での発表と質疑への対応について審議され、参加者全員の投票により決定されるものです。水原さんの発表演題は、「ゼブラフィッシュ胚を用いた抗精神病剤ハロペリドールの発生毒性と生物濃縮性の評価」で、沿岸環境科学研究センターの野見山桂准教授、田上瑠美准教授、国末達也教授の指導の下で取り組んだ研究成果の発表です。

当研究室のこれまでの研究成果にもあるように、医薬品の中でも抗精神病剤のハロペリドールが魚類に対し高い生物濃縮性と脳移行性を有することが確認されているにも関わらず、その作用機序や体内動態に関する知見が不足していました。水原さんの研究では、ハロペリドールを対象に、ゼブラフィッシュに曝露した際の毒性や行動影響、生物濃縮性を評価しました。その結果、低濃度では心臓周囲や卵黄嚢に浮腫がみられ、ドーパミンやノルエピネフリンなどの神経伝達物質濃度が有意に減少、さらには仔魚の移動距離が低下したことから、血中において臓器・組織に移行可能な遊離型ハロペリドールが急増することで、発生毒性や中枢神経毒性が発現した可能性があるということを提示した点が評価され受賞に至りました。

本受賞は愛媛大学のHPでも掲載されています。

沿岸環境科学研究センター(CMES)化学汚染・毒性解析部門の水原奈々さんが「ナイスプレゼン賞(最優秀賞)」を受賞しました【6月2日(金)】

 

卒室生の野崎一茶さんの研究成果が国際共著論文として学術雑誌(Science of the Total Environment,  Volume 866, 25 March 2023, 161258)に掲載されます。

卒室生の野崎一茶さんの研究成果が国際共著論文として学術雑誌(Science of the Total Environment,  Volume 866, 25 March 2023, 161258)に掲載されます。

 

インド、インドネシア、ベトナムの表層水および魚の血しょう中に残留する医薬品類とパーソナルケア製品由来物質を測定し、それら生活関連化学物質の生物移行残留性と潜在的な生態リスクを解析しました。その結果、抗ヒスタミン剤のクロルフェニラミンは、ティラピアの血中のたんぱく質に特異的に結合することにより、高い生物移行残留性を示すことが示唆されました。また未処理または浄化処理の不十分な生活雑排水・し尿排水が都市河川に流出することにより、一部の生活関連化学物質の生態リスクが懸念されるレベルにまで達していることがわかりました。

 

本論文はオープンアクセスとなっており、どなたでも無償で全文を閲覧・ダウンロードできます。

https://doi.org/10.1016/j.scitotenv.2022.161258

 

野崎さんお疲れ様でした!!

 

Our new international collaborative paper entitled ‘Pharmaceuticals and personal care products (PPCPs) in surface water and fish from three Asian countries: Species-specific bioaccumulation and potential ecological risks’ has been accepted for publication by Science of the Total Environment.

 

Anyone clicking on the following link will be taken directly to the final version of our article on ScienceDirect, which they are welcome to read or download. No sign up, registration or fees are required.

https://doi.org/10.1016/j.scitotenv.2022.161258

 

Nozaki san, who completed the master’s course in March 2019, worked very hard and wrote the first draft of this paper. Excellent job!

 

Individual data is available in a public repository, ChemTHEATRE.

URL: https://chem-theatre.com/project/PRA000124.